コラム

税務調査は「怖いもの」ではありません──秋のシーズン前に知っておきたい備えのきほん

「税務調査」と聞くと、少し身構えてしまう経営者の方は多いのではないでしょうか。しかし、日頃からきちんと備えておけば、必要以上に恐れることはありません。税務調査は夏から秋、とくに9月から11月にかけて増えるといわれます。今回は、そのシーズンを前に「税務調査とはどんなものか」「何を見られるのか」「普段どう備えておけばよいか」を、できるだけやさしく整理してみます。

税務調査とは、どんなもの?

まず知っておきたいのは、私たちが日常的に「税務調査」と呼ぶもののほとんどは「任意調査」だということです。テレビドラマに出てくるような、ある日突然踏み込まれる強制調査(いわゆる査察)は、悪質な脱税が疑われるごく一部のケースで、通常の中小企業が対象になるものとは性質が異なります。

任意調査では、原則として事前に税務署から連絡があり、日程を相談できます。つまり「明日いきなり来る」ものではなく、準備をする時間があるのが基本です。添付の図解のように、流れは「①事前通知 → ②当日の実地調査 → ③調査のあと」というシンプルな3ステップで進みます。当日は帳簿や書類を確認し、質問に答えるのが中心で、期間の目安は1〜2日ほど。顧問税理士に立ち会ってもらうこともできます

何を見られるのか

調査で見られるポイントは会社によってさまざまですが、大きく言えば「売上がきちんと計上されているか」と「経費が本当に事業に関係するものか」の2つに集約されます。

たとえば、売上を計上する時期がずれていないか(本来は今期の売上なのに翌期に回っていないか)、プライベートな支出が経費に混じっていないか、現金でのやり取りが正しく記録されているか、といった点です。特別に難しいことを問われるわけではなく、日々の取引を正しく記録できているかを確認される、と考えるとイメージしやすいと思います。

なお、帳簿や書類の保存期間、電子データでの保存に関するルール(電子帳簿保存法)などは、制度改正で変わることがあります。具体的な保存年数や要件は、最新の情報をご確認ください

日頃の備えは、この3つから

大がかりな準備は必要ありません。ふだんから次の3つを意識しておくだけで、いざというときの安心感が大きく変わります。

一つ目は、帳簿と証憑(領収書・請求書など)を整理して保存しておくこと。二つ目は、事業の支出とプライベートの支出をきちんと分けること。三つ目は、顧問税理士と普段から数字を共有しておくことです。この3つができていれば、調査の連絡が来ても慌てずに対応できます。

もし連絡が来たら

万一、税務署から連絡が来ても、落ち着いて対応すれば大丈夫です。大切なのは、事実にもとづいて正直に答えること、そしてその場でわからないことは無理に即答せず、「確認します」と伝えて顧問税理士に相談することです。焦って曖昧な回答をするより、確認してから正確に答えるほうが、結果的にスムーズに進みます。

経営のパートナーとして、ひとこと

税務調査は、決して「やましいことがある会社だけが受けるもの」ではなく、事業を続けていれば誰にでも起こりうる、いわば定期健診のようなものです。だからこそ、きちんと帳簿を整え、日頃から専門家と情報を共有しておけば、恐れる必要はありません

個別の対応や、自社が何をどこまで準備しておくべきかは、業種や規模によって変わります。本コラムは一般的な考え方の整理にとどまりますので、具体的な備えについては、詳しくは専門家にご相談ください。私たち税理士法人長谷川共同会計事務所は、調査の場に立ち会うだけでなく、日頃の帳簿づくりから一緒に整え、経営者の皆さまが安心して本業に集中できるよう、パートナーとして支えてまいります。

「うちは大丈夫だろうか」と少しでも気になった方は、どうぞお気軽にご相談ください。今の帳簿を一度見直しておくだけでも、いざというときの安心感は大きく変わります。初めての方のご相談も歓迎しています。まずはお問い合わせフォーム、またはお電話からお声がけください。

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