1年の折り返しで数字を見直す。上半期の締め前にやりたい「中間チェック」のすすめ
多くの会社にとって、9月は「1年の折り返し」にあたる時期です。3月決算の会社であれば9月末が上半期の締め。個人事業や他の決算月の場合でも、夏を過ぎたこのあたりで一度立ち止まり、年度の前半を振り返っておくと、後半の打ち手がぐっと変わってきます。
決算はどうしても「終わってから結果を知る」ものになりがちですが、経営で大切なのは、結果が出る前に手を打てるかどうかです。今回は、上半期の締めを前に確認しておきたい「中間チェック」のポイントを、できるだけやさしく整理してみます。
なぜ「折り返し」で数字を見るのか
決算が終わってから「思ったより利益が出ていなかった」「納税資金が足りない」と気づいても、できることは限られてしまいます。一方、期の途中で数字を把握しておけば、コストの見直し、価格の調整、資金の手当てなど、まだ間に合う対策がたくさんあります。
年度の折り返しは、その「まだ間に合う」タイミングの代表格です。半年分の実績が出そろい、通期の着地もある程度見通せるため、下半期にどう動くかを考える材料がそろいます。
確認したい3つの数字
難しい分析は必要ありません。まずは添付の図解のように、次の3つを大づかみに確認するだけでも十分です。
一つ目は、売上と利益の「予実」。年度初めに立てた計画(予算)と実際の数字を並べ、ズレがあれば「なぜか」をざっくり押さえます。二つ目は、資金繰り。今の現預金と、これから半年の入金・出金の見通しを確認し、「いつ、いくら足りなくなりそうか」を早めに把握します。三つ目は、税金の見込み。ここまでの利益をもとに、通期でどれくらいの税額になりそうか、中間納税や予定納税の資金は用意できているかを見ておきます。

早めに動くと、打てる手が増える
数字を見て「このままだと厳しいかも」と感じたときこそ、折り返しで気づけた価値があります。たとえば、固定費や仕入れの見直し、遊んでいる経費の整理、値づけの再検討などは、下半期からでも十分に効果を出せます。
資金面でも、余裕をもって動けば選択肢が広がります。金融機関への相談は「困ってから」より「見通しが立つうちに」始めたほうが、話がスムーズに進むことが多いものです。納税資金も、締めの直前にまとめて用意するより、月々で積み立てておくほうが無理がありません。逆に、想定より利益が出ていれば、設備投資や賃上げ、専門家と相談しながらの節税策など、前向きな一手を検討する好機になります。

つまずきやすいポイント
中間チェックでつまずきやすいのは、大きく2つです。一つは、数字が古いまま判断してしまうこと。記帳が数か月遅れていると、見ている数字が実態とずれてしまいます。まずは月次の数字をなるべく早く締める習慣をつけましょう。もう一つは、そもそも比べる相手(計画・予算)がないこと。ざっくりでよいので年度初めに「今年はこれくらい」という目標数字を置いておくと、折り返しで「予定どおりか、ずれているか」がひと目で分かります。
もう一つ、見落としやすいのが「季節の資金の谷」です。たとえば、夏の賞与や仕入れの増加で現金が減る時期に、税金の納付が重なると、資金が一気に薄くなることがあります。折り返しの時点で「これから半年で出ていく大きなお金」をカレンダーに並べておくだけでも、慌てずに手を打てます。
経営のパートナーとして、ひとこと
上半期の中間チェックは、いわば事業の「健康診断の中間報告」です。年に一度の決算だけでなく、折り返しでもう一度数字に向き合っておくことで、慌てずに、根拠を持って経営判断ができるようになります。
どの数字をどこまで見ておけばよいか、自社の資金繰りや税額の見通しをどう立てるかは、業種や規模、決算月によって変わります。本コラムは一般的な考え方の整理にとどまりますので、具体的な見通しづくりや対策については、詳しくは専門家にご相談ください。私たち税理士法人長谷川共同会計事務所は、月々の数字の見える化から資金繰りの相談、通期の着地予想まで、経営者の皆さまが先を見通して動けるよう、パートナーとして一緒に整えてまいります。
「うちは今、どんな状態だろう」と少しでも気になった方は、どうぞお気軽にご相談ください。折り返しのいま数字を整えておくだけで、下半期の景色は大きく変わります。初めての方のご相談も歓迎しています。まずはお問い合わせフォーム、またはお電話からお声がけください。